こんにちわ。ケアー・サポートまつやまのブログ担当です。
今日は、先日行った「ひなまつり行事」の一場面を、みなさんにご紹介したいと思います。
行事の日、私たちは利用者様に着物を着ていただき、男性には冠、女性にはおひなさまのようなかんむりをつけていただきました。ご婦人はお着物に袖を通し、口唇には紅を差し、爪先には明るい赤のネイルを施しました。鏡を見たその瞬間の、あの少し照れたような、でもどこかすましたお顔が忘れられません。
ひなまつりの記念撮影が終わったあと、私たちはいつものように「メイク落としましょうか?」とお声がけしました。するとそのご婦人は、にっこり笑ってこうおっしゃいました。
「せっかくきれいにしてもらったから、このままでいいわ」
その表情は、まさに“女性らしさ”に満ちていて、メイクやネイルの力ってすごいな…と、あらためて感じました。職員同士でも「化粧って、こんなにも顔つきまで変えるんだね」と驚きながら、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
これはただの「行事」ではありません。季節の彩りを感じていただくことはもちろん、「女性としての気持ち」を大切にすることも目的の一つです。私たちが意識しているのは、整容の機会を楽しみとして提供すること。認知症が進んだ方であっても、ふとした瞬間に「自分らしさ」を思い出すきっかけになると信じています。
実は、後日談がもうひとつ。
このときネイルをされた別のご婦人は、なんと3日間も「取らないで」とおっしゃってくださいました。指先を見つめながら「これ、可愛いでしょ」と笑われる姿に、私たちも心がほっこり温かくなりました。
福祉の現場では、安全や衛生の観点から、すべてのことが自由にできるわけではありません。でも、私たちは“その方がその方らしくいられること”を大切にしながら、できる限りの工夫をしていきたいと思っています。
これからも、日々のレクリエーションや関わりの中で、「その人らしさ」と出会える瞬間をつくっていきますね。
📷 ご本人の許可をいただいて掲載しています。