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音声→議事録で90分→10分。AIが変える介護の業務

コラム

議事録にかかる時間が、たった10分に。

AIを活用することで記録業務を効率化し、浮いた時間を「利用者との関わり」に充てることができるようになりました。


現場の課題:「会議のあとが一番大変」

こんにちは。ケアー・サポートまつやまのIT担当です。
私たちのような小規模事業所でも、ケア会議や連絡会などの会議は頻繁にあります。
問題はその後――議事録の作成です。

以前は、90分の会議に対して、メモを見て思い出しながらまとめるのに1〜2時間かかることもありました。正直、かなりの負担でした。施設によっては、書記担当がいつも同じで属人的になりがち。上司からは時間をかけるなと言われますが、そう簡単ではないのです。

作成したとしても、どうしても抜け落ちるところがあったり、主観が入ってニュアンスがずれたりすることがありました。そして、遅くなるほど全員に共有されるまでの時間的ラグが長くなってしまいます。

AIは機械ですから、スピードもあるし、客観的にまとめてくれますし、抜けも少ないです。

とはいえ、チェックは必要です。逆に、チェックのみで済むのですごく簡単です。


試してみた:NotebookLMで議事録作成を自動化

先日、本社との30分程度のオンラインミーティングがありました。
今回は、”Notebook LM”というAIツールとiPhoneの”ボイスメモ”を使って、議事録を作成してみました。

 NotebookLMは、Googleが提供するノートブック形式のAIツールです。リサーチにはGeminiが使われています。このAIツールは、AIに情報が学習されないローカル環境でアップロードしたデータのみを扱うことができます。

実際に行った手順

  1. 会議を録音(iphoneのボイスメモで録音)
  2. NotebookLMに音声ファイルをアップロードし、「要点をまとめて」と指示
  3. まとめてくれたテキストをコピーしてテキストファイルに貼り付け
  4. 内容に誤字・脱字、内容に間違いがないかチェック
  5. PDF化してLINEで共有

これだけで、会議終了10分後には議事録を関係者に共有できました。驚くほどスムーズでした。


セキュリティと配慮も忘れずに

AIを使う際は、個人情報や倫理面の配慮が不可欠です。

  • 録音前に会議参加者には同意を取る。
  • 音声データには個人情報が含まれるので、十分な配慮が必要。
  • Notebook LMのように「ローカルな文書にしかアクセスしないAI」を選ぶ。
  • ChatGPTを使う場合は「一時チャット」を利用する。(新しいチャットの右上にあります)
    (※一時チャットは安全上の理由で30日間は保存されるので注意)

「AIに学習されない環境」で運用することが大切です。

ツールの使い方はyoutubeに山ほど出ているので、調べてみてください。この他にもたくさんの使い道があります。


無料で十分、有料は参考までに

少人数(10数人程度まで)の会議なら、AIレコーダーを用意しなくても、iPhoneやAndroidの無料録音ツールで十分ですし、NotebookLMはGoogleアカウントがあれば使えます。要点抽出や記録整理は可能です。

AIレコーダーや有料サービス(話者識別やクラウド共有など)もありますが、まずは無償で始められる範囲から業務改善を試すのがおすすめです。


浮いた時間は、利用者のために使える

記録の効率化によって、職員同士の共有がスムーズになっただけでなく、
浮いた時間で現場から抜ける時間が減り、利用者と関われる時間が増えました。

そして今、浮いた時間でこの記事を書いています。


最後に

AIはすでに特別なものではなくなりました。当たり前に使えるツールであり、パートナーです。

ここ1年のAIの進化・普及スピードは、尋常じゃない速さです。AIエンジニアでさえ追いつけないと言われるくらい早く、この流れはさらに加速していくでしょう。産業革命レベルで、AI革命が起こるかもしれません。

すでに”情報格差”の次にAI等の”ツール格差”という言葉が使われ出しています。ただでさえITの普及が遅れている業界ですので、今のうちにできることはやっておきたいです。

まずは一歩、小さな改善から試してみてください。